関東の人参の大産地「千葉県」。
外房の九十九里に近い山武市で農薬・化学肥料を使わずに野菜を栽培出荷するグループ
「さんぶ野菜ネットワーク」。このグループに所属する人参農家「岩井 正明」さん62歳。
岩井さんの育てる人参「浜紅(はまべに)」は、毎年「うまい」。
特に、12月〜2月に収穫する冬越しの人参は、格別に「甘い」。
でも、本人いわく「23年たっても、毎年悩みはつきないよ。
人参は、“人を参らせる”と書くとおり 、ちょっと手を抜くと途端に出来が悪くなる。
頭の上がらない野菜だよ。」
「肥料は自分で作る」が当たり前!
岩井さんは人参の畑に投入する肥料は全て自作。
普通の農家は、メーカーが作った肥料を使う。
でも、岩井さんは「ぼかし肥料」と呼ばれる、アミノ酸を重視した発酵肥料を“自分で”作る。
岩井さんいわく、「人参の畑の肥料はこれでいいということがないんだよね。
毎年、悩みながら成分の微妙な組合わせを考えてるんだよね。
でも、それをしないと、味がまずくなっちゃうこともあるんだよね。
だから、絶対手は抜けないね。」
農薬の不使用は、家族の理解が大前提
農薬を使用しない栽培を続けていくためには、家族の理解が大前提。
農薬の害は、作業をする農家自身に一番及ぶから、
農薬を使わないことは家族にとってはいいことなのですが、
その分、作業の手間は5倍以上に増える。特に、除草作業。
人参は畑にはいつくばって、手で1本1本雑草をとっていく。
気の遠くなるような作業だ。
この草取り作業は、多くの場合女性の仕事になる。
特に、農薬を使わない栽培は、奥さんの理解がないと成り立たない。