[ 大正浪漫硝子/乳白硝子のあぶり出し技法 ]

乳白硝子(オパール)のあぶり出し技法は、明治・大正時代に盛んに使われた
成型技法の一つです。骨灰という特殊な原料の入った硝子を使い、急激な
温度差を与えるとオパール色に発色する性質を活かし、色々な紋様を硝子器
に浮かびあがらせる伝統工芸です。



(1) 吹き棹に溶けた透明なガラスを少量巻き取り、
その上にオパールガラスを巻きつけ、ベースを作ります。



(2) そのベースを凹凸のある模様の金型に吹きこんで、
凹凸のあるガラスのタネを作ります。この時にうっすらと
模様が浮き上がってきます。



(3) 模様の凹凸のついたガラスを高温の釜の中に入れ、
さめて硬くなったガラスを熱によって再び柔らかい状態に
します。だんだんと柄がオパール色に浮き出てきました。



(4) 柔らかくなったガラスをグラス型の金型にまわし
ながら吹き込みます。凹凸のあったガラスの表面が
型になじみ、表面はつるつるになります。またその時、
型にガラスが触れた温度差により更にオパール色が
発色し、絵柄が浮かびあがります。



(5) ガラスの不必要な部分を切り落とし、切り口を
バーナーであぶって滑らかにし、2時間程度徐冷を
して完成です。まさに熟練の技術と、芸術性の高い
ガラスの逸品、歴史の中から生まれた工芸品です。



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