
金縷玉衣(きんるぎょくい) 河南博物院蔵
前漢・前1世紀/長180cm
永城市芒碭山僖山1号墓出土/河南博物院蔵
玉衣とは美しい石を札状に加工して綴[つづ]った服です。漢時代の王侯貴族は亡くなると全身を玉衣で覆い、不老不死になることを望みました。当時の人々は玉が死体を腐敗から守ると信じていたためです。この玉衣も漢時代の河南省東部にあった梁[りょう]国の王墓から出土しました。王の願い空しく遺骸は朽ちて中身は空っぽですが、合計約二千枚もの玉札[ぎょくさつ]と、それらを綴る金製の糸が、最盛期には皇帝にも劣らぬと言われた梁王の威光を示しています。