(神戸新聞NEWS 7月27日掲載記事より抜粋)
JA丹波ささやまは26日、篠山産の黒豆が「丹波篠山黒豆」として、特許庁の地域団体商標に認められたと発表した。全国的に人気が高い「丹波産ブランド」の商標登録をめぐっては2006年、篠山市、丹波市、京都府の3農協がそれぞれ「丹波」を使った商品名を申請したが、地域の範囲があいまいなどとしてすべて却下された。「丹波」を冠したブランド認定は初めてで、同JAは「篠山産の黒豆の良さを全国に発信し、農家の経営安定につなげたい」と話している。
黒豆は江戸時代、篠山藩が幕府に献納していた特産品。昭和10年代、篠山の在来種を基に大粒の品種「丹波黒」が確立され、県内をはじめ京都府などで栽培されている。
地域ブランドの保護などを目的に地域団体商標制度ができると、いち早く全農京都が「丹波黒大豆」として申請。反発したJA丹波ひかみも同じ名前で認可を目指した。JA丹波ささやまは、地域名を加えた「丹波篠山黒豆」として申請したが、いずれも退けられた。
黒豆については、丹波市と京都府のJAは登録を断念したが、JA丹波ささやまは08年に再申請。「丹波篠山」の認知度が低いという指摘を受けると、テレビ、ラジオなどでPRを重ね、今年7月、3度目の挑戦でようやく使用が認められた。
商標が使えるのは、同JAが販売する篠山産黒豆のみ。同JAが昨年集荷した黒豆は約230トンで、市内の生産農家の約7割を占める。商標を使用できない市内の黒豆卸売業者は「これまで通り篠山産を強調して販売する。商標登録によって篠山産の黒豆全体が認知されれば、農家にとってはプラス」と歓迎する。
一方、JA丹波ひかみは「『丹波篠山』の商標は篠山の産地を示している。丹波市の農家には影響しない」としている。
【地域団体商標制度】
地名入りの商品などを商標として認める制度で、2006年4月に始まった。登録された商品名を無断で使うと、商標権侵害で損害賠償請求の対象となる。県内では「豊岡鞄」「播州毛鉤」など29種類が登録されている。
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