1990年にワルシャワで開催されたショパン国際ピアノコンクール入賞(1位なし)の偉業は、いまだに我々ピアノファンの心を熱くする出来事だった。5年に1度という、オリンピックよりも開催頻度の低い難関ショパンコンクールは、アルゲリッチやポリーニ、ツィメルマンなどのスターを生み出したことによってその価値が輝く。まさに入賞すること自体が至難のコンクールなのだ。今回は、四半世紀前に行われた第12回ショパンコンクールでの激闘の記憶を辿りつつ、さらに進化を遂げたピアニスト高橋多佳子の今を聴きたい。まさに第17回ショパンコンクールが開催されようとしているこのタイミングにこそ相応しいイベントだ。
■演奏予定曲目
モーツァルト : キラキラ星変奏曲
シューベルト : 即興曲 第1番 作品90
ベートーヴェン : ソナタ 第14番「月光」
休憩
オールショパンプロ
ノクターン 第2番
バラード 第1番
舟歌
ポロネーズ第6番「英雄」
■高橋多佳子 プロフィール
桐朋学園大学音楽学部卒業後、国立ワルシャワ・ショパン音楽院大学院研究科を最優秀で修了。
第12回ショパン国際ピアノコンクール第5位入賞、ラジヴィーウ国際ピアノコンクール日本人初の第1位を始め、数々の国際コンクールに入賞。ソロ・リサイタルやオーケストラとの共演など、演奏活動は日本とポーランドを拠点にほぼ全ヨーロッパに及ぶ。第22回日本ショパン協会賞受賞。
CDはこれまでに全12タイトルをリリース。なかでも、ショパンの作品を時代ごとに取り上げた『ショパンの旅路』(全6タイトル)シリーズは、その企画性と高い芸術性が話題を呼び、ベストセラーとなっている。また2006年10月には、ロシアの2大作品をカップリングしたNewアルバム『ラフマニノフ/ピアノ・ソナタ 第2番&ムソルグスキー/展覧会の絵』をリリース。
最近では、ピアニスト宮谷理香との実力派ピアノデュオ・ユニット<Duo Grace>を始動させ高い注目を浴びるなど、ますます意欲的な活動を展開している。
■高橋多佳子 ピアノ・リサイタル チラシを印刷できます。
