三洋堂

屋号説明

初代丸山権一郎が横浜の弁天通りに開業した丸山商会が起源。
東京オリンピック聖火輸送用ケース等海外専門家として活躍。
歴史の舞台裏で三洋堂の”仕事”が役立ってきました。

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創業時の様子

三洋堂は1907(明治40)年、初代丸山権一郎が横浜の弁天通りに開業した鞄袋物、靴を扱う丸山兄弟(けいてい)商会を出発点とします。

鞄袋物販売から、諸官庁や大学、企業に対する渉外活動を行いながら、渡航用品の販売へと事業を拡大。
長年培ってきた鞄製造の技術力と豊富な海外渡航情報から、「海外渡航なら三洋堂」という定評がありました

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戦前・戦後の歩み

1921年には、ワシントン軍縮会議全権団の洋行身支度一切を調達。
1930年のロンドン軍縮会議全権団もすべて三洋堂で身支度を整え、颯爽と洋行していきました。
戦後に入ると、GHQの依頼で連合軍最高司令官マッカーサー元帥のパスポートケースを製作。
サンフランシスコ講和条約調印の際、吉田茂首相の批准書ケースも三洋堂が製作したものでした。

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東京オリンピックでの活躍

また、1963年には従来の壊れやすい錠前とは一線を画す「特許錠前」を開発。
当時のカタログには〜新錠前は前後3回世界一周をして、60数回の飛行機その他の積みおろしにも壊れないことが実証済みです〜と紹介されたほど。
その堅牢な作りを買われたためか、翌年の東京オリンピックでは、アテネから東京へ搬送される聖火の輸送用の特殊ポータブルケースの製作を依頼されました。
このケースは1953年から製造を開始した「テックス」がモデルとなっています。TV番組「開運なんでも鑑定団」で紹介され、ご好評をいただいたこともあります。

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高度経済成長期の発展

国内に高度成長の兆しが見え、街に商品が溢れ始めた1960年代初頭、三洋堂は海外渡航用品の調達に加え海外土産販売へと業務を拡張。海外渡航海自由化前年の1963年にはこの路線での営業を開始しました。
しかし土産品といっても当時は並行輸入もできず、品揃えにも限界がありました。そこで売り出された第一号商品が「海外旅行記念風呂敷」です。世界地図を染め抜いた風呂敷に旅行路線と署名を入れ、友人、親戚などに配るというものです。これが爆発的な人気を集めました。
かの川端康成氏もノーベル賞受賞式に出発される際、三洋堂で三洋堂オリジナル・スーツケースと記念風呂敷を注文され、配られたそうです。