本展覧会は、北欧の中でもノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3か国に焦点を定め、19世紀から20世紀初頭の国民的な画家たち、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクやフィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラらによる絵画をご紹介します。
北欧は洗練されたデザインのテキスタイルや陶磁器、機能性に優れた家具の制作地として知られていますが、同時に優れた芸術作品を生み出す土壌でもあります。19世紀、ナショナリズムの興隆を背景に、それまでヨーロッパ大陸諸国の美術に範をとっていた北欧の画家たちは、母国の自然や歴史、文化に高い関心を寄せるようになりました。各地の自然風景、北欧神話や民間伝承の物語が、画家たちの手によって絵画や書籍の挿絵に表されました。
ヨーロッパの北部をおおまかに表す北欧という区分は、一般的にノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの5か国を含みます。このうち最初に挙げた3か国はヨーロッパ大陸と地続きにありながらも、北方の気候風土のもとで独特の文化を育みました。
このたび、ノルウェー国立美術館、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館という3つの国立美術館のご協力を得て、各館の貴重なコレクションから選び抜かれた約70点の作品が集結します。本展で北欧の知られざる魅力に触れていただければ幸いです。
ロベルト・ヴィルヘルム・エークマン 《イルマタル》 1860年 油彩・カンヴァスに貼った紙 79×111.5cm フィンランド国立アテネウム美術館 Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen ※画像・写真の無断転載を禁じます
マルクス・ラーション 《滝のある岩場の景観》 1859年 油彩・カンヴァス 78×124cm スウェーデン国立美術館 Photo: Nationalmuseum ※画像・写真の無断転載を禁じます
ニルス・クレーゲル 《春の夜》 1896年 油彩・パネル 48.5×60.1cm スウェーデン国立美術館 Photo: Erik Cornelius / Nationalmuseum ※画像・写真の無断転載を禁じます
ニコライ・アストルプ 《ユルステルの春の夜》 1926年 油彩・カンヴァス 89.5×110.5cm ノルウェー国立美術館 Photo: Nasjonalmuseet / Frode Larsen
エウシェン王子 《工場、ヴァルデマッシュウッデからサルトシュークヴァーン製粉工場の眺め》 油彩・カンヴァス 90×100cm スウェーデン国立美術館 Photo: Erik Cornelius / Nationalmuseum ※画像・写真の無断転載を禁じます
エドヴァルド・ムンク 《ベランダにて》 1902年 油彩・カンヴァス 86.5×115.5cm ノルウェー国立美術館 Photo: Nasjonalmuseet / Børre Høstland ※画像・写真の無断転載を禁じます