19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年〜1901年)の展覧会です。ロートレックによる紙作品の個人コレクションとしてはおそらく世界最大級のフィロス・コレクションより、約240点を紹介します。フィロス・コレクションの最大の特徴である素描作品に始まり、ポスターを中心とする版画作品、雑誌や書籍のための挿絵、ロートレックが家族や知人に宛てた手紙、ロートレックの私的な写真など、画家に肉薄した作品と資料で構成される展示です。
フィロス・コレクション
米国のベリンダとポール・フィロス夫妻が、20年以上にわたり収集しているロートレック作品の個人コレクション。総数は300点以上にのぼり、現在も増え続けています。その内容は素描を中心とする紙を支持体とする作品(グラフィック)群で、版画や書籍、ポスターに関しては、状態の良い物を厳選して収集しています。すでにアメリカや中国でコレクションを紹介する展覧会が開催されていますが、日本での開催は今回が初めてとなります。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年〜1901年)
南フランスのアルビに伯爵家の息子として生まれ、幼いころから、絵を描くことに関心を抱いていました。13歳の時に左脚を、14歳の時に右脚を骨折、以降下半身の成長が止まってしまい、絵画に専念するようになります。1882年に画業のためにパリに出て1884年頃からモンマルトルにアトリエを構え、そこに生きる歌手や芸人、娼婦たちの姿を描きました。特に素早い描線と大胆な構図を活かしたポスターが、一世を風靡しました。飲酒や放埓な生活のために肉体と精神を害し、療養の末、母の居城があったマルメロで亡くなりました(享年34)。ロートレックのグラフィック作品の個人コレクションとしてはおそらく最大級のフィロス・コレクション(米)より、約240点を紹介する展覧会です。フィロス・コレクション最大の特徴である素描作品を核に、版画、ポスター、挿図や装丁を手がけた雑誌や書籍、さらにロートレックの手紙、知人が撮影したロートレックの写真など、作家そのものに肉薄した作品と資料をご紹介します。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《騎手》 1879-81年 ペン、インク/紙 The Firos Collection ※画像・写真の無断転載を禁じます
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《『リンガー・ロンガー・ルー』を歌うイヴェット・ギルベール》 1894年 ペン、インク/紙 The Firos Collection ※画像・写真の無断転載を禁じます
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《『ラ・ルヴュ・ブランシュ』誌のためのポスター》 1895年 リトグラフ The Firos Collection ※画像・写真の無断転載を禁じます
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《ディヴァン・ジャポネ》 1893年 リトグラフ The Firos Collection ※画像・写真の無断転載を禁じます