パナソニック汐留美術館は開館以来、20 世紀のフランスを代表する画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)の作品を中心に収集し、現在では約270点のルオー作品を所蔵しています。とりわけ近年は、ギュスターヴ・モロー(1826-1898)のアトリエで学んでいた頃の初期の貴重な作品群が充実し、そこに師モローの作品も新たにコレクションに加わりました。さらに、モローの没後、学友たちと共に構えた共同アトリエで制作されたとされる、娼婦たちを描いた両面作品や、1920 年代に画家の中心的な画商アンブロワーズ・ヴォラール邸の一室を間借りしていた時代に制作された日本の武士を描いた作品、ルオーの没後ルオー・ファミリーにて長年大切に保管されていた隠れた名作など、ルオーの交友関係や制作スタイルを伝える作品が当館のコレクションに仲間入りし、これらはルオーを様々な切り口で紹介する重要なピースとなっています。
本展は、近年新たに迎えた収蔵作品を中心に、当館のルオーコレクションを紹介する展覧会です。ルオーの名作の数々が生まれた場である「アトリエ」に焦点を当て、作品がどのような環境で、どのような画材を用いて描かれたのか、初期から晩年までの代表作と共に紹介します。また、パリのルオー財団の特別な協力のもと、展示スペースの一角に、ルオーが晩年、自身最後のアトリエで実際に使用していた画材道具や机などを用いて、アトリエの一部再現を試みます。身近な家族でさえも立ち入りを制限されていた聖域である、画家のアトリエの記憶を作品と共に紐解きます。
ギュスターヴ・モロー 《オルフェウスの苦しみ または地上で涙にくれるオルフェウス(習作)》 1891年頃 油彩/厚紙 パナソニック汐留美術館 ※画像・写真の無断転載を禁じます
ジョルジュ・ルオー 《飾りの花》 1947年 油彩/紙(麻布で裏打ち) パナソニック汐留美術館 ※画像・写真の無断転載を禁じます
ジョルジュ・ルオー 《エジプトへの逃避》 1952年 油彩/紙(板で裏打ち) パナソニック汐留美術館 ※画像・写真の無断転載を禁じます
ジョルジュ・ルオー 《キリストとの親しき集い》 1952年 油彩/紙(板で裏打ち) パナソニック汐留美術館 ※画像・写真の無断転載を禁じます
ジョルジュ・ルオー 《クマエの巫女》 1947年 油彩/紙(格子状の桟の付いた板で裏打ち) パナソニック汐留美術館 ※画像・写真の無断転載を禁じます
ジョルジュ・ルオー、パリのアトリエにて 1953年 Photo: Yvonne Chevalier ※画像・写真の無断転載を禁じます