2015年5月26日(火)から8月9日(日)まで東京富士美術館で「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 〜日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎〜」が開催されます。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ《裸体と戦闘場面の習作》1506-08年頃 ペン、木炭/黄ばんだ紙 25.0×19.5 cm トリノ王立図書館蔵 [京都・関西展に展示] |
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16世紀の画家 《アンギアーリの戦い》 16世紀 油彩/板 83.0×144.0 cm フィレンツェ美術館群蔵(ヴェッキオ宮殿博物館に貸与) |
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レオナルド・ダ・ヴィンチ《騎兵、竜、馬、犬の習作》制作年不詳 ペン、褐色インク/紙 19.4×12.3 cm ルーヴル美術館蔵 [京都・関西展に展示] Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Thierry Le Mage / distributed by AMF-DNPartcom |
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16世紀の画家《聖アンナと聖母子》16世紀 油彩/板 99.0×72.0 cm ウフィツィ美術館蔵 |
レオナルド・ダ・ヴィンチの未完の大壁画制作計画《アンギアーリの戦い》は、今も多くの謎と痕跡を残しています。
同壁画はフィレンツェのシニョリーア宮殿(現ヴェッキオ宮殿)の大評議会広間(現在の「五百人広間」)を飾
るため、行政長官ピエロ・ソデリーニによって16世紀初頭にレオナルドに発注されました。イタリア・ルネサンス
美術の歴史の中でも、最も野心的な装飾計画のひとつとされています。またこの一連の装飾計画はレオナルド
とミケランジェロが戦闘画において競演を演じたエピソードでも有名ですが、レオナルドの壁画と同じ広間に描
かれるはずだった《カッシナの戦い》についてもミケランジェロの原寸大下絵に基づく模写によって知ることがで
きるのみで、その計画の全貌は今も多くの謎に包まれています。レオナルドはこの壁画を完成させることがで
きませんでしたが、部分的に描かれた壁画はその後、半世紀以上のあいだ人々の見るところとなりました。しか
しその壁画は、最終的に1560年代前半にジョルジョ・ヴァザーリの新たな壁画装飾によって覆われてしまいまし
た。それでもレオナルドの作品は、激烈な戦闘場面を描く絵画表現の新しい基準を確立し、その後に続く世代の
芸術家たちに大きな影響を与えることとなったのです。
本展の中心をなす作品は、失われたレオナルドの壁画の中心部分をなす激烈な「軍旗争奪」の戦闘場面を記録
した、日本初公開の《タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)》として知られる著名な16世紀の油彩画です。本展
ではさらにミケランジェロが構想した壁画の原寸大下絵を模写した、同じく日本初公開の16世紀の板絵《カッシ
ナの戦い》を並べて展示し、かつてシニョリーア宮殿を舞台に実現するはずだった巨匠の競演の部分的な再現を
試みます。さらに、レオナルド自身による同壁画の準備習作素描、レオナルドの構図に基づくその他の模写作品
や派生作品、関連する資料類、関連する歴史的人物の肖像画が出品され、多くの写真を用いた歴史的解説のパネ
ルと合わせて、レオナルドが試みた視覚の革命を検証し、イタリア美術史上の一大エピソードである失われた壁
画の謎と魅力に迫ります。
巡回予定
本展は2015年度と2017年度にそれぞれシーズン1、2として巡回を予定しております。
展示構成は基本的に同じ内容で計画されますが、作品は会場毎に変わります。
[シーズン1]
関西展 2015年8月22日〜11月23日 京都文化博物館
東北展 2016年3月19日〜5月29日 宮城県美術館
[シーズン2](予定) ※変更になる場合があります。
北海道展 2017年6月〜8月
中国展 2017年9月〜10月
四国展 2017年11月〜12月
中部展 2018年1月〜3月
九州展 2018年4月〜5月
※出品作品・出品予定会場は変更になる場合があります。