2015年4月24日(金)から6月21日(日)まで、仙台市博物館で東日本大震災復興祈念特別展 「国宝 吉祥天女が舞い降りた! −奈良 薬師寺 未来への祈り−」が開催されます。
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重文「弥勒菩薩坐像」 鎌倉時代 薬師寺蔵 |
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重文「文殊菩薩坐像」 鎌倉時代 薬師寺蔵 |
奈良・薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈り、西暦680年に建立を発願した由緒ある古寺です。天武天皇が崩御すると、その事業は持統天皇に引き継がれ、藤原京に創建されました。その後平城京へと移り、およそ1300年を経た現在まで数々の名宝が大切に伝えられています。また「古都奈良の文化財」として世界文化遺産にも登録されています。
平成23年3月11日に東日本を襲った未曾有の大規模地震災害によって、いたましくも多くの方が犠牲となり、甚大な被害が生じました。被災地では現在もなお復興へ向けた取り組みが続いています。
震災からの復興を祈念して開催する本展では、麻布に描かれた独立画像として現存最古の彩色画「国宝 吉祥天女像」(奈良時代)や、優しい微笑をたたえた「国宝 聖観世音菩薩立像」(飛鳥〜奈良時代)など、世の中が安らかであること願った古代仏教文化の粋を公開いたします。薬師寺に伝えられた貴重な文化財の数々をご覧いただくことで、みなさまの心の安らぎとなることを願っています。
本展は、巡回展ではなく仙台市博物館のみで特別に開催するものです。復興を願う心を東北・仙台の地から発信する文化事業として、地域のみなさまのご支援・ご協力のもと取り組んでまいります。
―本展シンボルロゴ―
アーティスト 石井竜也氏が“未来への祈り”を込めて制作
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デザイン:石井竜也 |
ロゴに込めたメッセージ
2011年3月11日…
おそらくこの日を日本人が忘れる事は未来永劫、無いでしょう。
奈良・薬師寺の国宝『吉祥天女』が、東北に来るという事は運命です。 古(いにしえ)の頃から、この国の人々が、敬い、救いを求め、天に昇った幾多の人々の魂を供養するために、長い時間の中、数えきれない寂しさ・悲しさを、天女に託してきたのだろうと思うのです。 古代の人々が、この一枚の絵にどれだけ助けられ、どれだけ救われたか…。
風になびく羽衣、ふくよかな表情、色とりどりの花のように咲いた天女の表情に、しばし心を映してみて下さい。 東北の心に早く平安が来らん事を祈り、この文様を送ります。
石井竜也
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©WELL STONE VOICE |
石井竜也氏プロフィール
1959年生まれ。高校卒業後、画家を目指し上京。
1985年米米CLUBとしてデビュー。楽曲の作詞・作曲、ステージセット、コスチュームなどバンドの総合的なプロデュースを手掛け、「浪漫飛行」、「君がいるだけで」など数々のヒット曲をリリースした。
米同時多発テロをきっかけにスタートしたチャリティープロジェクト「GROUND ANGEL」では、2011年3月11日の東日本大震災以降、被災者への支援を主軸とし、ライブ、アートイベント等の活動に取り組んでいる。