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グラン・シャレのお茶会 |
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クリスマスのオーナメント |
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叔母から譲られた遠山を描いた留袖 |
20世紀最後の巨匠と称えられた画家バルテュスの未亡人、節子・クロソフスカ・ド・ローラさん。文化・芸術に造
詣が深かったバルテュスとの約40年にわたる西欧での生活でも節子さんは日本人の和の心を大切にしてきました。
現在は、バルテュスとともに過ごしたスイス最大の木造建築、250年以上の歴史を持つグラン・シャレで家族とともに暮らしています。
その暮らしぶりは決して華美なものではありません。祖母らから受け継いだ着物を身につけ、ガーデニングをこ
よなく愛し、友人や来客には四季折々に趣向をこらして部屋をしつらえ、食器やお料理にこだわり、手作りのおも
てなしをする。一方、バルテュス財団の名誉会長やユネスコ平和芸術家などの社会活動のみならず、画家、随筆
家としても活躍しています。
本展では、着物や手作りの品、テーブルコーディネートを中心に手芸の部屋の再現や、絵画作品など約180件
を展観し、ド・ローラ・節子さんの美しく豊かな暮らしぶりを紹介します。
【ド・ローラ・節子さんプロフィール】
節子・クロソフスカ・ド・ローラ伯爵夫人(La Comtesse Setsuko Klossowska de Rola)
随筆家、画家、作陶家、バルテュス財団名誉会長、 ユネスコ平和芸術家。
東京生まれ。1962年上智大学フランス語科在学中に画家であり、当時ローマのアカデミー・ド・フランスの館長であったバルテュスと出会う。1967年結婚。アカデミー・ド・フランス館長であるバルテュスを支える。70年代より自らも画家として活動をはじめ、欧米で個展を開催。 77年バルテュスと伴にスイス・ロシニエールに移住。 2000年バルテュス財団発足。バルテュス没後名誉会長就任。2005年よりユネスコ平和芸術家。 2005年から2006年熊本、横浜、東京で『節子の暮らし展 和の心』開催。 2009年パリ、東京で個展開催。
2012年南仏のエクスサンプロヴァンスにある セザンヌのアトリエで個展開催。随筆家としても活躍。
【グラン・シャレのご紹介】
バルテュスの終の棲家であり、節子夫人が今も暮らしているロシニエールの「グラン・シャレ」は1754 年に建設されたスイスで最も大きい木造建物で、「大きな山の家」を意味します。
スイス・ペイダンオー(上の郷)と呼ばれる地方にある ロシニエール村は標高約900 メートルのアルプスに近い山々に囲まれた小さな村です。
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グラン・シャレ
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*本展では、節子さんが暮らすスイスのグラン・シャレの家の内部や、花が咲き乱れる美しい庭、ロシニ エール村の風景などを映像や写真で紹介します。
写真:Ikuo Yamashita