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百川子興「七福神酒宴図」 絹本一幅 寛政7・8年〜享和元年(1795/96〜1801)頃 ©WESTON COLLECTION |
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初代歌川豊国「時世粧百姿図」(一部) 絹本二十四葉 文化13年(1816) ©WESTON COLLECTION |
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小林清親「頼豪阿闍梨」 絹本一幅 明治30〜大正4年(1897〜1915) © WESTON COLLECTION |
アメリカ・シカゴの日本美術収集家、ロジャー・ウェストン氏所蔵の肉筆浮世絵は、個人コレクションとして
は世界有数の規模と質を誇っています。本展では1,000点を超える同氏のコレクションの中から、厳選され
た約130点の作品をご紹介します。菱川師宣、勝川春章、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎な
ど、50人を超える絵師たちによる多彩な作品を通して、江戸初期から明治にいたるまでの肉筆浮世絵の流
れを知ることができるまたとない機会です。
肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に筆で直接描いたものです。浮世絵といえば、写楽の役者絵、歌麿の美
人画、北斎や広重の風景画など、鮮やかな色彩で摺られた「版画」を思い浮かべる人が多いでしょう。そのよ
うな浮世絵版画と区別するため、あえて肉筆浮世絵と呼んでいます。
量産される浮世絵版画に対して、一点物の肉筆浮世絵は大変貴重であり、大名や豪商たちからの注文を
受けて描かれることもありました。絵師たちが腕をふるった肉筆浮世絵には、女性の髪の生え際や、華麗な
衣裳の文様まで、精緻に描かれている作品が多く見られます。ウェストンコレクションの優品が日本に里帰り
し初公開される本展は、東京会場が最後となります。華やかな美人たちの競艶をぜひお楽しみください。
※会期中、一部展示替えがあります。