• ･「夜のメクラグモ･･････希望！」
• ･「焼いたベーコンのある自画像」
• ･「記憶の固執の崩壊」

　本展は、２０世紀を代表する画家サルバドール・ダリ（1904-89）の生誕１００年を記念して、スペインのフィゲラスにあるガラ＝サルバドール・ダリ財団とアメリカのセント・ピーターズバーグにあるサルバドール・ダリ美術館から、日本初公開の作品を含め、最初期から最晩年まで主要な油絵約６０点などを集めたものである。

　ダリの表現はさまざまな意味を持って表されており、一枚の絵の中にある複数の読みを可能にしてくれる。そこには彼の本当の考えとは異なる読みも当然出てくる。しかしながら、彼自身はその読みもまた重要であり、見る側一人ひとりが一枚の絵を借りてそれぞれの内的世界を広げ、想像力に遊ぶことを望むとともに、
それを見て自ら楽しんでいたのである。

　今回展示される作品もまた細部を見ていけば、さまざまな発見があり、自由に読み取ることができる。
現代の表現にたった一つの回答しかないということはないのだ。