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ビュールレ・コレクションのプライベート美術館 Photo: Hans Humm, Zurich |
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ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888/90年頃 油彩、カンヴァス 79.5×64cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)
Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn) |
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クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1895年 油彩、カンヴァス 81.5×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)
Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn) |
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フィンセント・ファン・ゴッホ《種まく人》1888年 油彩、カンヴァス 73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)
Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn) |
スイスの大実業家エミール=ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)は、生涯を通じ絵画収集に情熱を注いた傑出したコレクターとして知られています。17世紀のオランダ派から20世紀の巨匠に至る作品、とりわけ印象派・ポスト印象派の作品は傑作中の傑作が揃い、そのコレクションの質の高さゆえ世界中の美術ファンから注目されています。
この度、ビュールレ・コレクションの全ての作品がチューリヒ美術館に移管されることになり、コレクションの全体像を紹介する最後の機会として、日本での展覧会が実現することとなりました。
本展では、近代美術の精華といえる作品約60点を展示し、その半数は日本初公開です。絵画史上、最も有名な少女ともいわれる「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、極め付きの名品で構成されるこの幻のコレクションの魅力のすべてを、多くの方々にご堪能いただきたいと思います。
◆見どころ1:至上の印象派コレクション
本展ではドラクロワ、ドガ、マネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、セザンヌ、マティス、ピカソ…「この絵はビュールレ・コレクションにあったのか!」と驚く、豪華な作家たちの競演が繰り広げられます。特に印象派・ポスト印象派の作品は傑作揃いで、絵画史上、最も有名な少女ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》は印象派の中でも人気の高い両巨匠の「最高傑作」として知られています。
◆見どころ2:全て、一人のコレクターが集めました
ドイツに生まれ、スイスで後半生をすごしたエミール=ゲオルク・ビュールレは、第一次・第二次世界大戦を経験し、実業家として成功して富を築きました。彼は心の拠りどころとして美術作品を収集し、コレクションはチューリヒにある邸宅の隣の別棟に飾られました。彼の死後、別棟は美術館として一般公開されましたが、スイス国外にコレクションがまとまって公開されたのは過去に数回のみでした。2008年、世界的に報じられた4点の絵画盗難事件以来、一般公開が規制され、2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになりました。今回はビュールレのコレクターとしての全体像がみられる最後の機会です。
◆見どころ3:出品作のおよそ半数が日本初公開!
ビュールレ・コレクションには、モネ、ファン・ゴッホ、セザンヌなどの傑作が数多く含まれ、近代美術の精華ともいえる本展の出品作品、約60点の半数は日本初公開です。なかでもモネの代表作の一つ、高さ2メートル×幅4メートルの大作《睡蓮の池、緑の反映》は、ビュールレがパリ郊外のジヴェルニーにあるモネのアトリエに足を運び、自分の目で見て購入を決めた作品で、これまでスイス国外から一度も出たことがありませんでした。日本人がまだ見たことのないモネの「睡蓮」。門外不出といわれたモネの最高傑作をこの機会にぜひご覧ください。
◆巡回予定
福岡展:九州国立博物館
2018年5月19日(土) 〜 7月16日(月・祝)
主催:九州国立博物館、西日本新聞社、NHK福岡放送局、NHKプラネット九州
名古屋展:名古屋市美術館
2018年7月28日(土) 〜 9月24日(月・祝)
主催:名古屋市美術館、中日新聞社、NHK名古屋放送局、NHKプラネット中部