1945年、宮崎県に生まれた黒木国昭は、照葉樹林の緑豊かな宮崎県綾町に工房を構え、日本の自然、文化、伝統美を表現することを早くから制作の基本として
取り組んできました。本展では、西洋ガラスの伝統と日本人としての感性を融合させ、新しいガラスアートを創造しようとする黒木国昭が、「琳派」と「広重」という近世を代表する美的感性をガラスで表現した作品を一堂にご紹介いたします。
金銀箔を多用し、丹念な象嵌による花鳥風月のモチーフなどにより、琳派の世界に新しい装飾芸術の地平を切り拓いた「琳派」シリーズ。そして、歌川広重作「東海道五拾三次」の浮世絵という平面作品をさまざまなガラスの立体形式で再現し、
広重版画の特徴である空と海の藍色が透明感のあるグラデーションで見事に甦った「広重」シリーズなど、華やかで繊細なガラスアートの世界をお楽しみいただけます。
○展示会について