1880年代末のパリ、様々な新しい芸術表現が勃興するなか、画塾アカデミー・
ジュリアンで出会った若き画家たちを中心に集い、前衛的な芸術活動を行った
グループが「ナビ派」です。ボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジエ、ヴァロットンら
を中心とするナビ派の画家たちは、ゴーガンから影響を受け、自らを「ナビ(預言者)」
と呼んで、新たな芸術表現を模索しました。近代都市生活の諸相を平坦フラットな
色の面で表す装飾性と、目に見えないものを描く内面性―日常と神秘をあわせ持つ
ナビ派の芸術は、一見控えめで洗練された画面のうちに、20世紀美術への橋渡しとなる
静かな革新性を秘めているのです。
本展は、近年国際的に評価が高まるこのナビ派の芸術を本格的に紹介する日本で
初めての展覧会となります。
エドゥアール・ヴュイヤール 八角形の自画像 1890年頃 油彩/厚紙
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF
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