10/4(木)池田 由美子さんを迎えて、
イタリア陶器と食文化のセミナーを開催しました。
ご自身、セラミック作家である池田さんに
計3回にわたって、イタリア各地方の陶磁器と食文化について語っていただく
イタリア縦断ツアーの第一回目は、イタリア北部、地中海に面する
リグーリア州をとりあげました。
日本ではあまり馴染みのない名前かもしれませんが、
州都はジェノヴァ、ジェノヴェーゼと聞くと、パスタソースですぐお分かりになるでしょう。
イタリア全土に伝統的な陶器を作る窯元は多数あり、11州の中に20程点在しています。
リグーリアの陶器の代表はマジョリカ焼きで釜の拠点は
ジェノヴァ・サボーナ・アルビッソラ。
「LA MAIOLICA ITALIANA」ラ・マイヨリカ・イタリアーナ
マジョリカ焼きの歴史は、ヨーロッパ陶芸の始まりにさかのぼります。
イスラムから入ってきた陶芸は10世紀後半に一番広まり、
エジプト・チュニジアからシチリア・モロッコからスペインと経て、
イタリアへと渡ってきました。
マジョリカ焼きは、
1.素焼きに錫の釉をかける⇒イタリアではcopertaコペルタという
(ヨーロッパは茶色の陶器のみで一度白い釉をかける)
2.その上から絵付け
3.焼成
マジョリカの基本の色彩
第1期時代 紫=こげ茶(マンガン)と緑(銅)
第2期時代 青(コバルト) 黄色(アルチモン) オレンジ=黄土色(酸化鉄)
それぞれ化学鉱物によって色付けされます。
オランダのロイヤルデルフト焼き(コバルトの濃淡で絵をかく)の影響を受け、
藍の淡彩に淡い青釉が多く使われます。
陶器の説明後はリグーリアの郷土料理「トロフィエ・ジェノヴェーゼ」
を皆様で召し上がって頂きました。
トロフィエとはこの地方特有のショートパスタ。
ジェノヴェーゼソースはバジリコを使ったソースです。
「ジェノヴェーゼソース」のレシピは以下になります。
バジリコ 100g(リグーリア州プラー地区が有名)
オリーブオイル 150〜200ml
松の実 20g
にんにく 1片
塩・胡椒
1.バジリコの葉を濡らした布巾で拭く
2.松の実を軽く炒る。色がつかない程度に。
3.ミキサーに松の実・オイル少々・ニンニクを入れまわす。
4.松の実が砕けたら、バジリコ(ミキサーの8分位まで)を手でちぎりながら入れ
オイルを半分程度残してまわす。
5.残りのバジリコとオイルを様子を見ながら加え、ペースト状になるまでまわし
塩と胡椒で味を整える。(手早く、回し過ぎないように、オイルは余っても可)
6.すぐに食べるのであれば用途によってペコリーノチーズ
もしくはパルミジャーノを大さじ1程度入れ軽くまわす。
同じくリグーリアのワイナリー、カッシーナ・プライエの白ワインも一緒に。
池田先生の作品もお持ちいただき、実際手にとることができ、
素朴でありながら、絵付け、色彩の繊細さが感じられる素晴しいものでした。
日常のテーブルを華やかにそして、食事がより楽しくなるような器でした。
まだまだ知らない事がたくさんあるなと思いながら、
新しい世界が広がる切っ掛けになります。
是非皆様もG-Callセミナーでいろいろな体験をしてください。