新宿の老舗洋食店≪アカシア≫
名物はロールキャベツシチュー。
「アカシア」創業物語
鈴木家の三兄弟、栄一さん・あい子さん・邦三さん達にとってのご馳走は、料理好きのお母様が作る「ロールキャベツシチュー」。入っているお肉はほんの少しでも、食卓を囲む笑顔が家族の力の源。兄弟達の一番人気献立でした。
終戦後新宿に戻った兄弟達は、あの家族で囲んだ食卓のように笑顔が出るような仕事を始めようと決めました。時間はかかりましたが、1963年6月15日にレストラン「アカシア」を開店する事ができました。
もちろん、「ロールキャベツシチュー」も献立に加え、ご飯を一回の給仕でたくさん食べることができように丼飯としました。このサービスが喜ばれ、店内は相席でもお客様でにぎわっていたそうです。
アカシアの「ロールキャベツシチュー」は
明治時代の名残を色濃く受け継いでいます。
ロールキャベツというと、「おでん」や「トマトスープ」のおかずの認識が現代に定着していますが、本来、明治時代に伝わったロールキャベツというものは、「シチュー」でした。
明治28年冬に発行された婦人雑誌で紹介された「ロールキャベツ」の作り方には、“ルーでシチューに”する料理方法がバッチリ紹介されていました。
創業者鈴木家のお母様が若かりし頃、西洋料理を一生懸命練習していた姿が目に浮かびます。
そうして誕生したアカシアの「ロールキャベツシチュー」…明治時代に広まった当時にタイムスリップしたかのような昔懐かしい味わいになっています。