天たつ

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1804年越前福井にて創業。天たつの三代目当主
天野五兵衛が、越前福井藩主の松平治好公の命により
「塩蔵法」による越前雲丹(汐うに)を考案。

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「塩蔵法」 と 天たつ三代目

江戸時代後期、「塩蔵法」による越前雲丹の製法が考案されました。
軍事用の保存携帯食として、朝廷や幕府の各藩への贈り物にも使われていた越前雲丹。
この越前雲丹の製法「塩蔵法」の考案は、創業(1804年)より数えて三代目、天たつの当主・
天野五兵衛の代のことです。当時の越前福井藩主の松平治好公から、
「日持ちのする うにの貯蔵品を作るように」と命じらた天野五兵衛が、現在まで続く
「塩蔵法」による越前雲丹(汐うに)を考案。
その「塩蔵法」による越前うにの製法を越前海岸一帯に広めました。

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雲丹の製法 「 塩蔵法 」

天たつの越前仕立て汐うに(越前雲丹)は真夏の仕込み。
北陸の福井県・越前海岸では、毎年7月20日の解禁より8月のお盆までの短い期間、
風のない天候の良い日を選んで海女たちが海に入り、素もぐりで「バフンウニ」を
採取します。
福井県ではバフンウニの資源保護の為、バフンウニ漁の期間は1年間で約1か月と
とても短く、越前福井産の雲丹もこの時季に全量を全て仕込みます。

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バフンウニの卵巣。
お寿司等で使われるムラサキウニの卵巣は2〜3cm。
バフンウニの卵巣はかなり小さく0.5cmほど。
汐うに100グラムの製品を作る為に、100個以上の
バフンウニの卵巣が必要とされます。
小豆粒ほどの大きさの卵巣。バフンウニひとつの殻に
卵巣は5つ程の房をなし、宝石のように輝きます。
現在は、バフンウニを獲る海女の数も少なくなった越前海岸。
その昔、沢山の海女さんがいた約30年程前までは、
解禁の日に先駆けしないように、解禁の日だけでなく
時間も定められていました。バフンウニ解禁の時間前
には、大勢の海女さん達が浜に集まり、解禁の時間に
なるのを今か今かと待ちうけ、いよいよ時間になると、
浜を仕切る爺やが笛を吹きます。
これを礒笛といいます。
礒笛の音と同時に、いっせいに海へ入る海女さん達。
越前海岸のバフンウニ漁は、奈良時代より
現在まで続いております。

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「塩蔵法」 うに割り

越前の海から採取ばかりのバフンウニの殻を、専用の器具で割ります。
小豆粒ほどの大きさの卵巣を傷つけない様、手作業にて卵巣だけを取り出し海水で洗い、
不純物をピンセットを使い一つ一つ丁寧に取り除きます。
ここでいう不純物とは、バフンウニの殻です。バフンウニの腸やバフンウニの口なども
不純物にあたります。因みに、バフンウニの腸が入りますと、食するのには全く問題は
ないのですが、雲丹の味が微妙に変わり色も若干ですが黒くなります。
ウニ割は非常に重要な作業です。ひとつひとつが手作業の為に、どうしても殻が残って
しまう場合もまれにありますが、この場合は取り除いてしまえば食していただけます。
バフンウニの卵巣だけになるまで綺麗に不純物を取り除き、汚れを落とします。
そして、次は塩振りです。

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「塩蔵法」 塩振りと 浜風

熟練の感覚を必要とし雲丹の味を決める大切な作業である塩振り。
全部で10〜12%程度の塩をして一昼夜水切りをします。
熟練の感覚を必要とし雲丹の味を決める作業です。
「うにござ」と呼ばれる小さなござの上に、バフンウニの卵巣をきれいに並べていき、
塩を均等に振り掛けていきます。その上に洗って水切りをしたバフンウニの卵巣を
並べて乗せます。
ここで均等にバフンウニを並べないと、塩のかかっていないところは品物が悪くなり、
ドロドロにとけてしまいます。反対に塩のかかりすぎているところは、塩くどくなり過ぎて、
やはり旨くありません。
当然、雲丹の味が均一でないものは出荷が出来ません。
バフンウニの目方・取れた浜の場所・バフンウニの水分量等を見ながら、塩の加減を
決めていきます。

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「塩蔵法」 熟成

次は「置く」作業。海から吹いてくる浜風にあてて、熟成を待ちます。
この浜風には、潮の香りがたっぷりとふくまれており、美味しい雲丹を作るには
かかせないポイントです。
美味しい汐うにまであと少し。しかし、ここは辛抱が肝心。
じっくりと美味しくなるそのときを待ちます。「うにござ」の上に並べられたバフンウニの
卵巣が塩を吸い、水分を吐き出します。

海から吹いてくる浜風にあてて、熟成を待つ。
塩をふってウニから出てくる水分が「雲丹醤(うにひしお)」です。雲丹の風味を残しつつ、
多分に塩気を含んだこの液体は、昔から用いられていた浜の調味料です。
しかし、その希少性から、現在ではこの製法の雲丹醤(うにひしお)を作るところは
おそらくありません。
雲丹を作る人間だけが知る、海の旨味調味料です。
適度に水分が抜け、ねっちりとした状態までおくと「熟成」が完了です。
この状態で食べても大変美味しく、天たつでも夏の期間限定で「粒雲丹」として
販売されています。
この後、うに桶に押さえ込んで、ペースト状とし、汐うにの完成です。

古くから三大珍味として愛されている天たつの雲丹。

粋で贅沢な酒肴としておすすめ一品です。

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