大正5年創業 能作

屋号説明

富山県高岡の地で400年受け継がれてきた鋳物の技術。
先人が積み重ねてきた、その高度な技術を維持・継承し、
現代のライフスタイルに溶け込むものづくりに努めています。

能作のものづくり
Kuzushi - Tare - 金箔
富山県高岡市は慶長14年(1609)加賀藩主の前田利長が“高岡”の町を開いたことを機に、“商工業の町”として発展を遂げることになりました。
開町から2年後の慶長16年、前田利長は現在の金屋町に7人の鋳物師(いもじ)を招きました。これが高岡銅器の長い歴史の始まりです。鋳物工場の開設以来400年たった現在も、高岡は日本唯一の銅合金鋳物の産地として仏具、茶道具からブロンズ像、巨大な釣鐘まで、幅広い製品を鋳造しています。


片口(大)(小)/ぐい呑み
錫100%
株式会社 能作は、その高岡の地で大正5年に創業以来、仏具・茶道具・花器などを製造し、伝統的なものづくりの技術を受け継いでまいりました。くわえて近年では、テーブルウェアやインテリア雑貨など、現代のライフスタイルに溶け込む新しい商品を開発し、「高岡銅器」の魅力を今に伝えています。透き通るようなヘアライン仕上げの風鈴や、洗練された佇まいの錫のテーブルウェアも、仏具や茶道具の製造で培われてきた鋳造技術によるもの。職人から職人へと受け継がれてきた「能」く鋳物を作る技術と、新しい素材やデザインを取り入れる「作」ることへの好奇心が詰まった、能作の味わいのある製品たちは、皆様に驚きと感動をお届けします。


≪ 株式会社能作 会社沿革 ≫
1916年  高岡市京町にて、青銅鋳物により仏具の製造を開始
1967年  業容の拡大に伴い、有限会社ノーサクを設立
1977年  高岡市戸出栄町に新工場竣工に伴い移転
2001年  東京原宿バージョンギャラリーにて能作の鋳器「鈴・林・燐」開催
2002年  業容、業域の拡大に伴い、株式会社 能作と改組改称
       高岡市熊野町に「GALLERY SA-KU」開店
2003年  錫(100%)製の鋳物、主にテーブルウェアの製造を開始
       高岡産業文化振興基金に「錫100%の新製品の開発」が認定
2004年  オリジナルデザインの風鈴が日本デザインコミッティーのコレクションに選定
       錫シリーズが富山プロダクツに選定
2007年  東京表参道ヒルズ イデアフレームスにて「能作展」開催
       経済産業省 地域資源産業活用事業計画 第1号認定
       国土交通省 「日本のおみやげコンテスト」地域賞の受賞
2008年  オリジナルデザインのベルがニューヨーク近代美術館(MOMA)の販売品に認定
       経済産業省 「元気なモノ作り中小企業300社」に認定
2009年  日本橋三越本店に「高岡 能作」として出店
2011年  松屋銀座店に「能作」として出店

鋳造(ちゅうぞう)技術
生型鋳造工程
鋳型用の砂に少量の水分と粘土を混ぜ、押し固めて成型する方法です。鋳型の製作が早く、コスト性に優れ量産に適しています。2つ割りの鋳型なので原型が上下に抜ける形状に限定されますが、中子型を使用すれば花瓶、仏具など中空の製品を作ることも可能です。その他の鋳造法と違い、鋳造前に鋳型を焼成・薬品処理をしないため「生型鋳造法」と呼ばれています。

製品の原型となる木型
 
 
鋳型に中子を入れる
 
鋳型に流し込む
 
型から製品を取り出す
 
ろくろで仕上げる
 
各写真をクリックすると拡大表示されます。
着色、加工、研磨
 

こだわりの素材 −錫(すず)−
原料となる錫の延べ棒
錫は金、銀に次ぐ高価な金属であり、酸化しにくく抗菌作用が強いという特性をもち、金属アレルギーにもなりにくい素材です。その歴史は古く、紀元前1500年頃の古代エジプト王朝では錫の道具が用いられていたと推測され、日本でも正倉院に錫製の宝物が納められています。また、錫の器に入れた水は腐らない、お酒の雑味が抜けて美味しくなると言われ、古くから酒器や茶器などに使われていました。
能作の錫は、純度100%です。通常は硬度を持たせ切削性を高めるために他の金属材料を加えますが、能作の錫はそれらを一切含みません。純度100%の錫は柔らかく、形状や厚さにもよりますが手で容易に曲げることができます。曲げる時にピキピキと音がしますが、これは錫の分子が擦れ合う音でTin Cryと呼ばれています。
金属でありながらも人肌に馴染む錫を、生活の様々なシーンでお楽しみください。

商品一覧