ドイツの工房で作陶する李英才さんには異なったふたつのルーツがあります。
ひとつは韓国陶磁に淵源するたおやかな造形と深い諧調を持った色相。
そしてもう一方に、バウハウスを水源とするドイツモダンデザインの引き締まった律動。
いっさいの余分なもの、無駄な部分をそぎ落としたかに見える李さんの器ですが、
暮らしの中においてみると、けっして冷たい器ではありません。 豊かに語りかけてくれる、
ひとの体温に近い響きに満ちた器たちです。
韓国とドイツに発したふたつの水脈がみごとに重なり合い、美しい交響詩となりました。