≪ヒアルロン酸とは≫
N−アセチルグルコスアミンとグルクロン酸の2糖単位が繰り返し連結しているきわめて大きな高分子の多糖類です。分子量100万以上といわれています。主に関節、硝子体、皮膚、脳などに分布していて、体の重量の0.02%程度がヒアルロン酸です。含有量は少ないのですが、保水力が強く、重要な成分です。代謝スピードはきわめて早く、1日で全体のヒアルロン酸の3分の1が分解され、同様に生成されます。
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≪役割≫
関節液の粘度を高め、関節機能を発揮させます。また軟骨の細胞外構造としてタンパク質と結合して弾力性をもたせます。
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≪治療材料としての利用≫
現在では乳酸菌や連鎖球菌などにより合成され大量生産されています。分子間架橋を加えることにより、体内での安定性を増大させ、皮膚や軟部組織の陥凹に注入しています。それにより陥凹の治療に用いています。コラーゲンと比べアレルギー反応が小さいため事前の皮内テストが不要とされ、また製造コストが下がっているため世界で治療材料として広まっています。コラーゲンは皮膚に多く含まれている成分ですが、ヒアルロン酸はわずかにしか含まれていないため、微妙な結果の違いがあります。
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≪化粧品としての利用≫
皮膚に塗布した場合、角質層に浸透して保水効果を発揮します。少量のヒアルロン酸は多量の水分を含有できるため、保水力に優れています。
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≪食品としての効果≫
ヒアルロン酸は経口摂取された場合、糖分としての分解をうけます。ヒアルロン酸のまま利用されるわけではありませんので、経口摂取は一般的にはあまり意味があるとは言えません。
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