小鯛ささ漬とは
小鯛ささ漬の発祥は、諸説ありますが、考案者と言われている池田喜助氏とともに開発にかかわった京都問屋さんの話によると明治34年ごろと言うのが濃厚です。開発当時は、容器は、杉の樽と今と変わらなかったようですが、蓋にはヒノキの小枝のつまみがついていたようです。それが時代とともに笹の葉に変わっていき、今の小鯛ささ漬になりました。当時は「小鯛ささ漬」とは呼んでいなかったようです。
その後、考案者の池田喜助氏から製法をご子孫が受け継がれました。小浜海産物株式会社を立ち上げる時、ご子孫が入社し、小鯛ささ漬を伝授。初代が考案された製法を若狭小浜 丸海が受け継ぎ、現代まで守ってきました。
絶妙の塩梅
小鯛ささ漬は、たて塩※2で塩をします。3枚におろした連子鯛の身に1枚1枚均一に塩をあてるための、塩分濃度、時間がとても重要になります。原料のレンコダイの脂の加減、身の厚さによって塩梅を微妙に調整するのが、職人の技。丸海の小鯛ささ漬は、3枚下ろしにした後は、鮮度を守るためしっかり温度管理をしています。魚の旨みが逃げるのは水洗いの回数。3枚におろした身は「水」で洗えば洗うほど旨みが逃げてしまいます。万が一、塩加減がキツク塩辛くなりすぎてしまったら、塩抜きを行えばいいのですが、旨みが逃げてしまいます。塩加減が強かったら塩辛くなりますし、弱いと旨みを引き出すことが出来ません。この「塩の加減=塩梅(あんばい)」が丸海が誇る技術の1つです。
塩をした身から、水分が抜け、旨み引き立ち、艶が出るまで塩をなじませます。
※2たて塩とは、塩分濃度が16%程度の塩水に魚などを漬け塩をあてる調理法です。
300年続く米酢
米酢は、地元で300年続くとば屋さんのお酢を使用しています。 三杯酢など、砂糖やみりんといった調味料は一切使用せず、米酢本来のうま味だけで〆ています。米酢の持つふくよかな味とコクのある酸味がささ漬をより一層、美味しくします。「酢で〆る」とても簡単な作業のように感じますが、ささ漬の出来上がりに大きく作用します。酢が薄くてもダメ。濃くてもダメ。塩と同じように、お客様の手元についた時に良い状態で〆まる加減を常に気を使っています。
小鯛ささ漬の人気の理由
化学調味料、保存料不使用。安心の自社製造。
「塩」と「米酢」のみで付けられた味が最大の特徴です。
非常にシンプルで簡単そうに感じますが、素材が良くないと美味しくなりません。
新鮮な小鯛を、体温で鮮度が落ちぬよう、1尾あたり数十秒もかからぬ早業で3枚に卸し、塩あてます。塩を振ることで余計な水分をだし、しばらく置くことで艶と照りを出します。塩は精製していないからこその旨みのある「赤穂の並塩」を使用しています。次に、地元の醸造酢で締め、国産の杉の樽に詰めます。伝統の技やこだわりの素材を使用しており真似のできない商品です。

















