シャトー・ド・ラ・ロッシュ
(Chteau de la Roche en Loire)
シャトー・ド・ラ・ロッシュは、ジャンヌ・ダルクも通ったとされるシノンからトゥールの古い街道沿いの小さな村アゼの近くにある。シャトーは、領主の邸宅として16〜17世紀に建てられた建築物で、パリで建築家として活躍していたルイ・ジャン・シルヴォス氏が2000年に取得した。
ワイン好きで尚且つ書物が好きだったシルヴォス氏は、偶然にも古いワインの文献の中にシルヴォスという名前を見つけた。その時に自分の祖先にワイン関係する人がいて自分の体にもワインのDNAが存在するのではないかと考えワイン生産者になることを決意した。
シルヴォス氏は、書物などから独学でワイン造りを学び、ロワール古来のブドウ品種を 伝統的な自然農法で栽培し、自然なアプローチでワイン造りを始める。
その後、ニコラ・ジョリー氏と出会いビオディナミの技法を取り入れる。35ヘクタールの敷地の内、ブドウ畑は6.5ヘクタールに留めている。その他は森や自家農園、家畜の飼育など敷地内で自然の生態系が保たれるようにしている。
醸造では、完熟したブドウを使い野生酵母によりゆっくりと発酵が行われる。完熟したブドウを収穫するために、同じ地域の生産者よりも数週間以上収穫を遅らせることも稀ではない。キュヴェにより少し異なるが、白ワインはブドウをプレス後に直接、果汁を樽へ入れ発酵、そのままシュールリーで熟成される。赤ワインは、ブルゴーニュ式の開放樽の中でブドウを直接足で踏み破砕し発酵が行われる。シルヴォス氏が所有する畑は、粘土石灰質に火打石が混じった土壌で完熟した果実感の中にミネラルがしっかりと感じられる。