■サン・ペレイ 2020
Saint-Peray 2020
オジェ家は、コート・ロティの中心地アンピュイを拠点に、何世代にもわたりブドウ農家を営んできた。シャプティエやギガルなどネゴシアンにブドウを販売し生計を立てていたが、1983年に父ミッシェル・オジェがワインを醸造してドメーヌ元詰めを始めた。当時6歳だったステファンは父が行うワイン造りに魅了され、将来ワイン醸造家になることをその時に決意する。
15歳から5年間、ボーヌや南アフリカで修業を積んだ ステファンが1997年にドメーヌに加わり、親子二人三脚でワイン造りがスタートする。数年後には、コート・ロティのトップ生産者に数えられる注目すべき存在となる。
2007年以降、すべての栽培と醸造を息子ステファンが引き継ぎ、世代交代が行われた。華やかでセクシー、そしてしなやかな優美さを合わせ持つ新しいコート・ロティのスタイルを確立していく。ステファン曰く、コート・ロティはパワフルなイメージがあるが、畑はローヌ渓谷でも最北に位置する非常に傾斜のきつい丘陵地、本来はフィネスがありエレガントなワインが造られる。その特徴をワインに表現しようと日々研鑽を積む。父とワインに対する考え方の大きな違いはないが、ブルゴーニュで行われている細かな畑の作業や区画(リューディ―)ごとに収穫、醸造することを取り入れることでより洗練されたワインへとステップアップしていった。現在、コート・ロティには、20区画を所有、それらの区画をさらに樹齢や土壌キャラクターの違いで66タンクに分けて醸造を行っている。また区画ごとに全房発酵か除梗するかを判断している。
ステファンの新しい試みとして父の時代では造っていなかった白ワインの生産を2004年から開始した。また、シャトーヌフ・デュ・パプとジゴンダスの間の畑を購入し、グルナッシュ主体のワイン造りを2010年から始めた。「ル・タン・エ・ヴニュ(=時は来た!)」と名付けられたこのワインにも、彼らしいエレガントな味わいが見事に表現されている。 まさに目が離せない注目の生産者である。
【原産地】AOCサン・ペレイ(フランス/コート・デュ・ローヌ地方)
【品種】マルサンヌ
【生産者】ドメーヌ・オーギュスト・クラープ
【生産年】2020
【タイプ】白
【抜栓のタイミング】直前に
【サービス温度】10〜12℃前後
【特徴】アカシア、白い花、ハチミツの香りを感じ、濃厚で凝縮感がありながらも、ハツラツ感もある。
【相性料理】白身魚の昆布締め、アンコウ鍋など