クリスチャン・ブザン
シャンパーニュ・クリスチャン・ブザンは、モンターニュ・ド・ランスのヴェルズネイに畑を所有するレコルタン・マニピュラン。4代続いたブザン家に代わり、2012年からボジョレーを本拠地とするラブリュエール家が全ての経営を行っている。ラブリュエール家は本拠地のボジョレーのドメーヌ以外にも、ブルゴーニュの名門ジャック・プリウール、ボルドーのシャトー・ルジェも所有。現当主のエドワール・ラブリュエールは、ブルゴーニュやボルドーで培った経験を活かし、ヴェルズネイのテロワールを表現するワンランク上のオートクチュールのシャンパンを目指している。醸造責任者はジャック・プリウールのナディーヌ女史が務め、栽培、醸造もチーム・ジャック・プリウールが管理している。
当主エドワールは経営権を取得後、すぐにシャンパンの核となるワインの質を高めるために栽培と醸造の両面で改革を行った。まずは、すべての畑を有機栽培、もしくはビオディナミへの変換を実践。最終的にはすべての畑をビオディナミに変換する予定。更に熟した糖度の高い良質なブドウを収穫するために収量を約3割減らした(収量50〜70hl/ha)。 所有する畑は、17 区画に分けて管理され、区画ごとに最適なタイミングで収穫、醸造を行う。味わいに複雑さ、コク、柔らかさをプラスするため、発酵タンクはステンレスタンクの他にジャック・プリウールの3〜7年落ちの樽を使用する。
瓶詰めしたワインは、醸造所地下にある気温約5度に保たれた自然の貯蔵カーブで瓶内2次発酵が行われる。低温で長期間熟成させることでキメの細かい泡が生まれる。出来上がったシャンパンは、凝縮感、複雑さに加え、クリーンさ、繊細さ、ミネラル感といった緻密な構成を持ち、卓越したバランスを保っている。グランクリュ・ヴェルズネイ村は モンターニュ・ド・ランスの北向き斜面にあり、アイ村やアンボネイ村などと並び優れたピノ・ノワールの産地として知られている。そこにブルゴーニュ生産者のフィロソフィーが加わった注目のシャンパーニュ生産者である。